2021年5月30日 21:10
甲斐翔真が「絶対ミュージカルをやりたい」と思ったきっかけは?
その同じ作曲家のフランク・ワイルドホーンによる『デスノート~』が初舞台というのも運命的だ。しかし、当初は喜びより苦しさが勝っていたそう。
「そもそも舞台自体が未知の領域すぎて、稽古って何?みたいなところからの出発でした。だからといって演出の栗山(民也)さんは僕を新人扱いせずに、高度なことを要求してこられる。求められるハードルが高く、その域まで到達しなくてはいけないのが苦しくて。でも本番が始まったら緊張を忘れるほど楽しかったです」
それほど心を掴んだのは、一挙手一投足に返ってくる観客の生の反応。
「ここまで積み上げてきたものがお客様に届いて、拍手が起こることがシンプルに嬉しかったんです。自分たちが発したもので人の心が動いたと感じられた時に、幸せだなって思いました」
その本番が毎日のように、そして何度も経験できることが「嬉しい」とも。
「うまくいったと思う瞬間はあっても、全体的にうまくできたことはないんです。でも、何回も本番があって理想を追い求められるのはありがたい。昨日の自分を超えたいんです。もともとスポーツをやっていて、負けず嫌い精神が身についているからなのかも」
ミュージカル『RENT』で演じたのは、恋人がHIV陽性になったことを苦に命を絶った過去から引きこもり、厭世的に生きるロジャー。