2016年7月19日 22:00
“人間の本質”を見事に演じる! 俳優・高橋一生の演技論が深すぎ
今作で白井さんから求められているのは、「人間の心の弱さと愚かさと、優しさなんだと思う」と話す。
「僕の演じるオリーは、心根はいい人なんだと思うんです。実際に家族をとても思いやっているし。いい人で、家族のため、子供のため、ってなると、悪も肯定されてしまいがちです。でも、だからこそ怖い。その優しいからこその罪を要求されているのかなと思います」
その柔和な雰囲気のままに、善人も悪人も、些細なことで善人から悪人へと振れてしまう人も自在に演じる高橋さんは、まさに適役。
「普段から自分というものがないんだと思うんです。役を演じるって、人格を探っていくプロファイリングに近いと思うんですが、いろんな人格を追っていくと、自分がどんな人間なのかわからなくなるんです。
いまこうしてしゃべっている俺、どの役だっけって(笑)。自我はあるけれど、自分の個性や主張みたいなことに対しては投げちゃってるんです」
“この役はこんな人だろう”という自身の見解をできるだけ排除して、台本にあるものだけで表現していく。「なるべく芝居で説明しないように、とは思っています。人が本当のことを言うときってすごく少ないと思うんです。