2021年6月19日 21:10
癒される~! 益田ミリが漫画『スナック キズツキ』に込めた思いとは?
そして、年齢も立場もさまざまな人がやってくる。
「日常の中でどんなことに傷ついているだろう?と考えて、『軽く扱われた』と感じるときが多いんじゃないかなと思ったんです。登場人物のひとりにコールセンターで働くナカタさんという女性がいます。彼女は彼氏と居酒屋で食事をしているとき、いつも自分ばかり質問していると気づきます。『今日は忙しかったの?』くらい聞いてくれてもいいじゃないかと思う。そしてアダチさんという販売員の女性もまた、お客さんに偉そうにされたり、同僚にいいとこ取りをされたり、いつも自分が損をしていると感じてしまう。気にしなければいいと思っても、そうもいかないのが人間。軽く扱われて傷つくエピソードから、さまざまな登場人物が思い浮かびました」
また、ここはスナックなのにお酒を置いていないのもユニーク。
「作中の会社員の男性サトちゃんは、お酒が飲めない体質です。なので話を聞いてほしいと思うような夜でも、同僚と飲みに行くこともできません。私自身もスナックに行った経験って数えるほどなんです。お酒が強くないというのもありますが、なかなかひとりで行きにくい場所です。前を通ったとき『この中はどうなっているのかな?』とよく想像し、カラオケなんかが聞こえてくると『ああ、今この中で嫌なことを忘れて歌っている人がいるのかもなぁ、よかったなぁ』と安堵する気持ちがありました。