2021年7月19日 22:10
8人きょうだいは個性派揃い!? コミック『ロジックツリー』で描く家族模様
そういう意味でも不思議な関係性ですよね」
一方で双子の弟、則(のり)と平(たいら)はいつもふたりで何かを企んでいて、周りからもやや気味悪がられている。
「双子の話をずっと描いてみたかったんです。8人のなかに双子が2組いるのですが、一卵性双生児の則と平は記憶を共有したり、お互いに似せて同一人物になろうとする。長男長女は二卵性双生児で顔も性格も違うんですけど、双子というとっかかりができてしまった人たち。いろいろ描けて満足しました(笑)」
螢は家族のごたごたに巻き込まれながら、尊敬する次兄の同級生だったイケメン編集者の柚木にあれこれ相談をしたり、父の義理の祖母と妹が暮らす豪邸に“避難”したり。大瀬良家の外の大人たちと接することで、自分の中にはなかったような感情を理解するようにもなっていく。
「たいていの人は、見せたい自分と本当の自分の間にズレがあるものだけど、螢ちゃんにはそれがわかっていなかったのだと思います。といってもわかりやすい起承転結があるわけではなく、螢ちゃんはまだ“途中の人”。
最初の想像とは違う展開になりましたが、終わりが近づくほど描くのが楽しくなっていました」
近くて遠い家族だからこそ、いろんなことがわかってしまう面倒くささと愛おしさが、数々のエピソードから浮き彫りに。