2021年9月13日 20:10
宝塚退団から6年、柚希礼音の現在地とは 「自分を育ててもらえるような役とまた出合いたい」
稽古場では女性っぽくいなければと思いすぎて、演出の石丸さち子さんに『ぶりっ子してるように見える』って指摘を受けたりもしました。今回は前回以上に強く、誰にも媚びず、もっとカリスマで規格外の女性にと言われて、最初はこんなに強くて大丈夫かなと思いました。自分のけがれた過去を語る場面も、小さい声で歌っていたら、『そここそ大きく歌うのよ』と。結果、仁王立ちでいていいんだってところに辿り着いたんですよね」
宝塚歌劇団を退団して約6年。在団中は、その実力と人気でレジェンド級トップスターと謳われた人。しかし、女優として歩いてきた年月に対しては「難しかった」と振り返る。
「この身長といい肩幅といい、男役というものが自分の何もかもに合っていたんですよね。その前にバレエをやっていた時は身を縮めるようにしてきたからこそ、男役になって、伸び伸びできて体が喜んでいるのを感じましたし。
だからこそ、男役を卒業してここから女性を演じるってなった時に、どうしたらいいんだろうって途方に暮れてしまって」
それまで自身の強みになっていた体格がコンプレックスに感じられ、男役として積み上げてきたさまざまな技術やキャリアは必要のないもののように思われた時期も。