2021年11月14日 22:10
朝ドラヒロインのモデルとも交流? 柚木麻子、母校創設者の生涯を描く『らんたん』
1877年生まれの道。少女時代、メンター的存在となる新渡戸稲造との出会い、米国留学、帰国後の教師職(その時の教え子がゆりである)、学校設立の夢…。生涯が語られるなか、有島武郎や津田梅子、野口英世に徳冨蘆花ら、当時の有名人が続々登場して驚く。
「たとえば有島武郎とは面白い関係で、有島は道先生に認めてもらいたがっているのに道先生は邪険に扱っている。そうした部分がおかしくて、膨らませていきました」
また、社会変革に尽力した女性たちの姿がとても眩しい。
「恋愛ばかり注目される柳原白蓮は後に平和活動をしていたし、大杉栄とのスキャンダルで有名な神近市子は実は頑張り屋だし、山川菊栄がキレッキレだったり。当時、彼女たちは衝突し合いながらも、女性の教育や参政権に向かって行動していった。全員が完璧というわけではなかったけれど、だからこそ誰一人欠けても駄目だったと思います。
そういう彼女たちのことも知ってもらえたら」
道もそんな一人。教育熱心だが堅苦しくはなく、楽しいことを次々に提案する人だったようだ。「さまざまな文化を吸収してみんなに教えるYouTuberみたいな人。恵泉って修養会だの合唱コンクールだの行事がやたら多かったり、ディスカッションの授業があったり、制服がなかったり、生徒が話し合って校則を決めたりしていて。