2021年11月14日 17:10
『呪術廻戦』『オッドタクシー』も…なぜエンタメ界は“渋谷”に惹かれるのか?
例えば、僕は『バーチャル渋谷』の世界を歩いていると、いまだに無意識のうちに’90年代に通っていたレコード屋へ行こうとしてしまう(笑)。そういう人々が持つ街への記憶が、渋谷を支えているんじゃないかなと思うんです。それに加えて、渋谷を舞台にした作品がたくさん作られたことによって、他の人が体験した記憶も共有しやすくなりました。そうやって、都市が持っている文化のアーカイブにアクセスしやすいところが、他にはないこの街のパワーだと思います。ただ、今後は観光客だけでなく生活者の文化をもっと取り込んでいく必要もあるのかなとも感じていて。コロナ以降の、人が集まれなくなってしまった渋谷がどのように作品の中で描かれていくのかをとても楽しみにしています」
うかわ・なおひろ現代美術家、映像作家、VJ。映像やデザイン、文筆業や大学教授など、さまざまな領域で活動。2010年に日本初のライブストリーミングスタジオ兼チャンネル「DOMMUNE」を開局。
1枚目写真:『ラブ&ポップ』村上龍が1996年に発表した原作小説を、庵野秀明が実写映画化。トパーズの指輪に心惹かれたコギャルが、それを手に入れるために援助交際に走る様子を追う。