2016年9月30日 22:00
悪口は言う相手を選ぶべし! 正しい「悪トモ」の見つけ方
聖人君子でない限り、悪口もまた楽しいもの。気の合う仲間内での辛辣な会話には絆をより深める役割だってある。
とは言え誰かを傷つけることがないよう、大人なら最低限のマナーは守りたいところ。エッセイストの酒井順子にご意見をうかがいました。
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私も、子供の頃は悪口の危険性を理解していませんでした。極端に素直な子供だった私は、感じたことを何でも口にしていたのですが、周囲からしたらそれはどうやら悪口というものだったらしい。小学校の卒業文集の「友達から見た短所」の部分には、
「口が悪い。
人をすぐきずつける」
と書いてありましたっけ。
こうして私は、おそまきながら、「感じたことを全て口にしちゃいけないんだ!」と悟ったわけですが、しかし一度知った悪口の快感を、そう簡単に手放せるものではありません。次第に、自分の中で「周囲と軋轢を起こさずに、悪口を上手に言う方法」を考えるようになったのであり、結果として確立した私なりの悪口の言い方の基本にあるのは、
「タバコと同様に扱うべし」
という感覚なのです。
法律で禁止されているわけではない。けれど、煙や臭いで周囲に迷惑をかけてしまうし、健康にも悪いのが、タバコ。