くらし情報『ノーベル委員会の思い切った判断だった? 「2021年ノーベル賞」を振り返る』

2021年12月11日 22:10

ノーベル委員会の思い切った判断だった? 「2021年ノーベル賞」を振り返る

今回の受賞は、日本国内の研究現場の課題を浮き彫りにしたと思います。

平和賞は、フィリピンのマリア・レッサさんとロシアのドミトリー・ムラトフさんが受賞。ジャーナリストにノーベル平和賞が贈られるのは、86年前のドイツのカール・フォン・オシエツキーさん以来でした。フィリピンのドゥテルテ政権、ロシアのプーチン政権下で表現の自由のために闘うジャーナリストに賞を授与したということは、現役の国家首脳に対して圧力をかけたということですから、ノーベル委員会は思い切った判断をしたと思います。

この数年間にも、たくさんのジャーナリストが殺害、勾留されました。パナマ文書報道に参加していた女性記者のダフネ・カルアナガリチアさんはマルタで爆死。サウジアラビアの反体制記者ジャマル・カショギさんはトルコのサウジアラビア総領事館で殺されました。6月には香港の『蘋果日報』が休刊に追い込まれ、事業者は国家安全維持法違反で逮捕されました。
いま世界で再び、言論の弾圧が広がっているということを実感させられます。今年は、これまで以上に社会課題に目が向けられたノーベル賞だったと思います。
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堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」

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