くらし情報『それぞれの正義が交錯…巧みな脚本・演出・芝居が集結した、映画『さがす』』

2022年1月24日 21:10

それぞれの正義が交錯…巧みな脚本・演出・芝居が集結した、映画『さがす』

とにかく見どころの多い作品だ。『岬の兄妹』でも見せた、どこかユーモラスな人間味を漂わせながらも、現代社会の闇と人間の本質をえぐりとるようなドラマを描く片山監督の手腕。おかしみと親しみやすさを感じさせながらも何を考えているかわからない凄みを背負う智役の佐藤二朗。愛する父を捜すために、連続殺人犯かもしれない謎の男に物怖じせず向かっていく楓を演じるのは伊東蒼。『湯を沸かすほどの熱い愛』(’16年)で子役として鮮烈な印象を与え、多くのメディアで2021年の年間ベストに入った傑作映画『空白』やNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』といった作品でどんどん輝きを増している16歳だ。そして、静かな狂気を発する連続殺人犯・山内照巳を演じるのは『渇き。』(’14年)のいじめられっ子役で注目され、近年『東京リベンジャーズ』(’21年)や『おかえりモネ』といった作品で存在感を高めている清水尋也。巧みな脚本、演出、芝居…確固たる才能が集結し、死生観、親子関係、倫理観といった人が生きる上では避けて通れない問題を内包し、登場人物それぞれの正義が交錯しながら物語が進んでいく重層的な映画作品が生まれた。
必死で父を捜す楓に警察官が「君はいったい誰を捜しているの?」

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