2022年4月11日 19:30
原点は小さな友達に送った絵手紙? 『出版120周年 ピーターラビット展』開催
と本展の監修を務める大東文化大学教授の河野芳英さん。
「ヴィクトリア朝の英国の裕福な家庭の常として、ビアトリクスも乳母や家庭教師に育てられました。子ども部屋に弟と二人で『秘密の動物園』を作り、カメや小鳥、ウサギなどのペットを飼い、そのスケッチがたくさん残されています。そのような環境で優れた観察力が培われたのでしょう」
出版の翌年にはビアトリクスはピーターのぬいぐるみを自作し、特許を申請。本展には100年以上前に作られたアイテムの数々も登場する。
「自分の絵本のキャラクターをグッズとして販売するために特許を申請した初めての人といわれています。先見の明を持ちグッズとともに歩んできたことも、絵本がベストセラーであり続けた要因かもしれません」
絵本、キャラクターグッズのビジネスで大成功を収めたビアトリクスは、幼い頃から避暑に訪れ親しんだ英国・湖水地方の自然景観を守るため、東京ドーム約360個分の土地を購入。亡くなった後はナショナル・トラストに寄贈、2017年には世界文化遺産に指定されている。
「ビアトリクスが湖水地方の自然を残そうとしたのは、ピーターラビットの舞台となった場所が残れば、自分の絵本も残ると考えていたからとも。