2022年5月26日 19:00
名家の後継ぎとメイドの許されぬ恋…フランス人監督がラブシーンに込めた意図
―そういった思いを映像化するうえで、意識されたこともあったのでしょうか。
監督まず、現代社会というのは分断されているところがあるので、自分が抱えている痛みや悲しみを周りの人たちと分かち合うことができる機会が少ないと感じています。だからこそ、芸術を通じてそれらを昇華できるようにしなければいけないと考えました。つまりそれは、アリストテレスが言うところのカタルシスみたいなものではないかなと。
それができずに痛みや悲しみを抱え込んでいると、カラダに影響し、病気になってしまうこともあるので、芸術のなかに共感できるものを見つけ、そこから癒しを得ることは人にとって必要だと私は思っています。
自分を制限することなく、自由を手にしてほしい
―この作品で描かれているのは、身分違いの恋。これまでもさまざまな作品で取り上げられてきたテーマですが、監督がこだわったのはどのようなところですか?
監督いまだに社会では男性優位的な考え方になりがちなところがあるので、おそらくジェーンのような自由な価値観を持っている人物というのは、ananwebを読んでいる女性のみなさんには、非常に興味深いところだと感じています。