2022年6月16日 19:00
「女性や子どもへの暴力を断ち切るために」韓国の異才が映画に込めた思い
非常に残念なのは、暴力を振るわれていた人が次の世代に暴力を振るうという負の連鎖が生まれてしまうこと。そういう状況を変えるためにも、当事者が謝罪をして、自らの過ちを認めなければ本質的な解決にはならないと考えています。
どんな暴力も容認されるべきではない
―現在、日本のエンタメ業界ではMe too運動をはじめ、あらゆる暴力に対して反発する声が高まり、大きな問題になっていますが、韓国ではこういった問題とどう向き合っていますか?
監督実は韓国でも、同じようにMe too運動が非常に盛んになっているところです。特に、政治家や芸術分野における著名な監督、演出家といった人たちが関わっていたことが明るみになり、大きな問題となりました。僕はどんな暴力も容認されるべきではないと考えていますし、こういった問題はきちんと改善すべきことだと思っています。
特にそれらは犯罪につながるようなことでもあるので、加害者にも被害者にも勇気が必要かもしれませんが、根本から解決するための努力が必要だと感じているところです。
―その通りだと思います。また、本作では、宗教の側面も色濃く描かれていますが、宗教を描く上で意識したことは?
監督僕は神と人間の関係についてよく考えますが、人は何か満たされない気持ちがあるときに神に依存しがちですよね。