2022年7月12日 19:40
高橋一生「舞台から客席の様子をしっかり見ておくつもり」 『2020』で一人舞台に初挑戦
歌舞伎の拍子木が、音と音との間の無音の存在を示すための役割にもなるように、言葉を使えたらと思っています」
演出の白井さんとは、6年ぶり、4回目のタッグになる。
「『マーキュリー~』でも『レディエント・バーミン』でも、白井さんとご一緒する作品は、まるで予言のように、舞台から想起させられる事件や情勢が上演時に現実で起きていました。2020年は過ぎていますが、上田さんが小説に書いておられる“行き止まりの人類”という感覚はリアルにあります。行き止まりの曲がり角にある今、この作品を上演するのも意味深い気がします」
万人受けしなくても、誰か一人にでも響いたらという思いでいつも芝居をしていると語る高橋さん。
「自分はマスの側ではなく、少数派であることはずっと意識してきました。この作品も、一人一人全く違う反応になっていいと思います。胸が熱くなるお客さんの隣で、頭に疑問符が浮かぶ人がいてもいい。僕は舞台から客席の様子をしっかり見ておくつもりでいます」
パルコ・プロデュース2022『2020(ニーゼロニーゼロ)』
2020年、世界で疫病が流行し、東京五輪がなくなった。
この年を起点に、人類誕生から世界の終わりまでを高橋一生の体を通して表現。