2022年7月23日 18:30
物価は高騰しているのに賃金は下降…いまの日本に必要なのは“稼ぐ力”?
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「円安と物価高」です。
放っておけば改善する問題ではない。稼ぐ力が必須!
現在、1990年代以来の円安が急速に進んでいます。一番の危機は、当時と違い、今の日本は“稼ぐ力”が失われてしまっているということです。
2008年のリーマンショック以降、アメリカは金利を低く抑える金融緩和政策をとっていました。そうして市場にお金を回した結果、インフレが起きてドルの価値は下がってしまいました。これでは国民生活が疲弊する、ドルの強さを取り戻そうと、米連邦準備理事会(FRB)は、6月に0.75%の利上げを決めました。
世界中の主要な中央銀行もアメリカに合わせる形で利上げを行っています。ところがその波に乗れなかったのが日本です。
日本は実質賃金が’90年代から上がっていません。さらに金利まで上げたら、国民はお金も借りられずに逼迫します。日銀は、大胆な金融緩和を継続することにしました。すると投資家たちは円に替えたところで実入りはないので、円を売りドルに替えます。そのため、ますます円安が加速しているのです。