2022年9月15日 22:00
『六本木クラス』は信念を貫く“父と子”の物語―竹内涼真らが織り成すチャレンジング作の妙
IQ162のインフルエンサーのチョ・イソ(キム・ダミ)=麻宮葵(平手友梨奈)。巨大外食企業の会長で宿敵のチャン・デヒ(ユ・ジェミョン)=長屋茂(香川照之)。その息子、チャン・グンウォン(アン・ボヒョン)=龍河(早乙女太一)など。それぞれのキャラクターの個性が際立っているのは、日本版でも同じです。
主演の竹内さんは、近年の主演作『テセウスの船』(2020年)や『君と世界が終わる日に』(2021年)で見せた男気は今作でも感じられましたし、複雑で繊細な役の心情を見事に体現。これまでは、泣きの演技でもグッと心を持っていかれることが多々ありましたが、今作の新に関しては“泣かない男”なのです(!)いえ、厳密には父・信二(光石研)の前では素直に感情を吐露し、信二が龍河に殺され茂に隠蔽され、信二の葬儀や龍河に激怒する場面では泣いていました(つまり全部信二絡みのときです)。
『六本木クラス』 「二代目みやべ」店員で IQ162の麻宮葵(平手友梨奈)。©Kwang jin/ tv asahi
ただ、それ以降は茂たちへの憎悪と復讐心、そして何よりも「自分の信念を貫け!」と信二にかけられた言葉を胸に、強靭な精神で地獄から這い上がっていく新。