2022年9月19日 20:00
『逃げ恥』作者の真骨頂を楽しめる!? 男女3人のゆるやかな関係を描く『スプートニク』
持つべきものは、共に歩き光を目指す、人生の旅の仲間。海野つなみさんによる、コミック『スプートニク』をご紹介します。
「スプートニク」という言葉から多くの人が思い浮かべるのは、世界初の人工衛星の名前だろう。
「辞書で調べたところ、ロシア語で『旅の仲間』という意味だと知り、すごくいい言葉だと思ってずっと温めていたんです。そして今回、男女3人の定まらない関係を描くことになって、今こそこの言葉をタイトルにしようと思ったんですよね」
物語の冒頭、ウェディングプランナーとして働いていた浅利千尋(あさり・ちひろ)が、上司の羽鳥汐路(はとり・しおじ)に辞表を提出する。いったん引き留めるものの、妊娠して結婚を控えていた汐路は、浅利と一緒に辞めることに。そして汐路の結婚パーティで、酔いつぶれた浅利を汐路の弟・渡(わたる)が介抱したのを機に、3人はパーティ会場だったカフェ&バー『スプートニク』に時折集まっては、おしゃべりをする仲に。
「読み切りとして第1話に当たるパートを描いた当初は、もう少し恋愛寄りではあるものの、だからといって恋愛のフォーマットに則ってはいない展開をイメージしていました」
しかし続編を描くことになった2021年、パンデミックにより第1話を描いた時点では誰も想像していなかった世界になっていたため、物語も大きく方向転換することに。