2022年11月20日 19:00
佐々木蔵之介「感じたことのない面白さを」 『守銭奴』でルーマニアの演出家とタッグ
「プルさんから提案されたのがこの作品だったんですが、読んでみたら、たった1日の話なんですね。その中で登場人物たちがみんな、死ぬか生きるかっていうギリギリの思いをするというもの。僕が演じるアルパゴンはドケチな奴で、その守銭奴ぶりは喜劇的ではあるけれど、最終的には冷笑されるような展開なんです。ただプルさんは、悪人をただの悪人ではなく、汚いんだけれど美しく描いたり、狂気の中にブラックユーモアを入れたり。今回も歌が入ったりしますし、楽しい作品になるのかもしれませんね」
公演のホームページには、“徹底的に嘲い倒す”の文言もあるだけに、かなり笑えるものになる予感?
「日本の“わらい”とヨーロッパ的な“わらい”では、多少肌触りや彩りは違うとは思います。ただ、フランスの作家の戯曲を、ルーマニアの演出家で日本人が演じる“面白さ”っていうものもあると思うんです。その、見たことのない感じたことのない面白さを目指したいですね」
ヨーロッパ的喜劇と聞いて思い出されるのは、今年2月の佐々木さん主演の舞台『冬のライオン』。12世紀を舞台に、一見すると重厚な歴史劇のようなのに、キャストたちの丁々発止のやり取りはコミカルで、気づけば劇場は爆笑の渦に。