くらし情報『遊び心あふれる、北斎の謎かけに挑戦! 企画展「北斎かける百人一首」が開催』

2022年12月30日 21:00

遊び心あふれる、北斎の謎かけに挑戦! 企画展「北斎かける百人一首」が開催

江戸時代、百人一首は一般教養として庶民の間に広まり、人気絵師たちがこぞって題材として取り上げた。葛飾北斎もその一人で〈百人一首乳母かゑ(え)とき〉は北斎最後の大判錦絵シリーズにあたる。「乳母が絵解きをする」という題名通り、大人が子どもに歌の意味を説明するという意図で企画された。しかし実際に制作されたのは27図のみ。そのうち本展「北斎かける百人一首」で展示されるのは23図だという。100図に及ばなかったのはなぜ?

「27図の錦絵のほか、60図以上の版下絵が知られていますが、全図での出版に至らなかった理由は色数が多く、手の込んだ技法も多いことから、採算がとれなかった点が考えられます。もう一つは、北斎が独自の世界観を存分に表現したため、一般には簡単には読み解けず、期待通りの人気を得られなかった可能性も」

と、すみだ北斎美術館・学芸員の千葉椎奈さん。例えば有名な小野小町の《花の色はうつりにけりないたつ(ず)らにわか(が)身よにふるなか(が)めせしまに》の場合。


「平安時代に詠まれた歌が、江戸時代の農村に置き換えられています。毎年咲いては散る儚い桜と、年老いていく小町の姿との対比を描き、《色はうつりにけり》から染め物をする職人の姿も描かれています」

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