トム・ハンクスが町内イチの嫌われ者に…「もっとも偉大な役者の1人」と監督が感じた理由
そのうえで、自分が綴るストーリーが観客のみなさんにも通ずるものであってほしいとは思っています。ただ、僕はそこに関しては願うことしかできません。
―今回リメイクする際に、舞台を変更するだけでなく新しい要素も加えて描いていますが、オリジナルとの違いなどで意識したこともあったのではないかなと。
監督もちろん、スウェーデン版の映画も参考にはしていますが、今回は原作に忠実に作ることを意識しました。とはいえ、イラン系の隣人を南米系に変えたりとか、不動産業者を入れたり、アメリカの状況に合わせて設定をいくつか変更したところはありますが、究極的なことを言えば、このキャラクターたちはシェイクスピアが描くキャラクターと同じ。つまり、たとえ日本でもスイスでもどの国であったとしても、物語が成立する人物像であるということです。
そういう意味では、物語が描く核の部分は変わっていないと感じています。最終的には、自分が思うもっとも強い形でストーリーを語りたいというビジョンを持っていたので、それをなるべく普遍的な形で表現したいと考えました。
トムはいまでも子どものような情熱を持っている
―オットーを演じるトム・ハンクスさんはシリアスもユーモアも見事に演じ分けていて「さすが」