死体役ばかりの俳優・奥野瑛太「“この人どうせ死ぬんだろうなフラグ”が 一時期 立ちました」
ただ、作品に出会うたびにそれが転機にはなっていると思いますが、毎回悩んでばっかりです。僕は主観的な感覚だけでするのはダメだと考えているので、客観的な視点も持つようにしていますが、自分の演技を見返すときは「ひどい芝居してるな」とものすごいダメ出しをすることが多いかもしれません。
―今回、作品のなかで生と死に関する格言がいくつか紹介されますが、ご自身にも響いた格言はありましたか?
奥野さん僕は考え続けることのほうが好きなので、正直これと言い切れる格言は思い浮かびません。というのも、格言は言葉としてそこに置いておけば自分の助けになるかもしれませんが、僕はどうしても言葉になってしまった時点でラクしようとしてしまうので。
言葉の上澄みを覚えているだけで、そこに行きつくまでの過程やらその瞬間の感情を全部すっぽり忘れてしまうことが多くてがっかりするんです。それよりも言葉にはせずにずっと向き合っていたり、肌に感じていたりするほうが覚えていられる気がします。もちろん、衝撃的な言葉に出会ってその都度右往左往しますが、僕のなかでは格言という感覚ではないんじゃないかと思います。
ちなみに、ラストシーンで吉田の格言も出てくるのですが、実はいまだに僕はあの言葉にピンときてないんです(笑)。