死体役ばかりの俳優・奥野瑛太「“この人どうせ死ぬんだろうなフラグ”が 一時期 立ちました」
それは僕のなかにない感覚。だからこそ「どういうことだろう?」といまでも考えています。僕はそういうほうが好きかもしれないですね。
死体役を演じることで、どう生きるかと向き合えた
―非常に深いですね。死ぬ役ばかりを演じたことで、ご自身の死生観に影響を与えた部分はあったのでしょうか。
奥野さんおそらく草苅監督も吉田もネアカだから死について考えられるんだろうなと思いました。それに比べて、僕はネクラなので死への向き合い方が根本的に違う。そういうことにも、気づかせてもらったように感じています。
あと、変な言い方になりますが、エロスとタナトスがあって、エロスが生きるエネルギーで、タナトスが死に向かうエネルギーだとしたら、僕にとって生きる力となっているのはタナトスが強い気がします。わかりやすく言うと、「死ね死ね!」と自らに言い聞かせて生を実感するタイプというか。なので逆にネアカな人たちへの憧れやうらやましさみたいなものはある気がしています。そういう意味でも今回は、人としても俳優としても死生観というものに改めて触れられるいい機会でしたし、死体役を演じることでどう生きるかと向き合えました。
―そのうえで、この作品の見どころについても教えてください。