『名探偵コナン』目暮警部のモデル、メグレ警視が身元不明な女性の殺人事件に挑む【映画】
そして、その方法というのは私が映画を作るときのやり方とも非常に類似しているのではないかなと。おそらくそれがいまでも私が彼に惹かれている理由の1つです。実際、今回の映画も90分以内という長編のなかでは比較的短い尺の作品となっています。
重要なシーンでも、何度も撮る必要はない
―監督には「俳優たちが最高のパフォーマンスをするのは、最初の1回目か2回目」という持論があり、今回もその撮影方法を取り入れられたそうですね。
監督私は撮影のときに何度も撮り直しをするのがもともと好きではないタイプの監督なので、今回もその考えは事前に伝えました。これまで出演してくれた俳優たちもその方法に賛同してくれる方々が多かったですが、ドパルデューも喜んでいてくれていたようです。
たとえ重要なシーンであったとしても、10回以上とか何度も撮る必要はない。それよりも1回か2回くらいで終わるほうが感動的なことですし、仕事のクオリティとしてもそのほうが高いと考えています。
―本作でも、その方法が功を奏したと感じたシーンなどもあったのでしょうか。
監督それはすべてのシーンにおいて言えることでもありますが、そのなかから1つを挙げるとすれば、メグレ警視がある人物に「自分の子どもが死んだときには、すべてを失い何も残らない」