残酷な血みどろ絵でブレイク! 「最後の浮世絵師」のゾクゾクするアートが集結
血みどろ絵でブレイク!
『芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル』展示風景
本展のプロローグで登場するのは、芳幾と芳年がブレイクするきっかけとなった共作の作品集《英名二十八衆句》。江戸後期の歌舞伎や講談で知られている殺戮シーンを集めた全28枚の作品で、会場ではそのうち8枚を展示しています。
絵の上部には、戯作者による場面解説が記載され、芳幾と芳年がそれぞれ半数ずつ図版を手がけました。
幕末の不穏な風潮も反映させ、血みどろの場面はかなりリアル。例えば、芳年の《英名二十八衆句高倉屋助七》は、歌舞伎『助六』の主人公「花川戸助六」を描いたもので、倒した駕籠に足を掛けて睨む姿の手足には生々しい血の跡が。血みどろ絵、無惨絵を代表する残酷な作品です。
かっこいい!師匠、国芳の絵
『芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル』展示風景
続く第1章では、二人の師匠である国芳の作品を展示。彼らが入門したとき、国芳は50代前半で、武者絵や役者絵、美人画、風俗画などさまざまな作品を手がけていました。
たびたび幕政批判を匂わす作品を描き、奉行所からにらまれていた国芳ですが、江戸の庶民たちからは大人気。また、面倒見もよかったため、弟子たちからも慕われていました。