残酷な血みどろ絵でブレイク! 「最後の浮世絵師」のゾクゾクするアートが集結
会場では、国芳の《甲越川中島大合戦》をはじめ、ダイナミックでかっこいい作品が並んでいます。
ゾクゾクする肉筆画も!
『芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル』展示風景
第3章では、芳幾と芳年らの貴重な肉筆画を紹介。浮世絵版画とはまた異なる趣があり、絵の巧さ、筆さばきなど技法のすばらしさもダイレクトに伝わります。
例えば、芳幾の《幽霊図》は、格子の間から顔を出している幽霊の姿を描写。こけた頬やくぼんだ目など、おどろおどろしい雰囲気で、脚も描かれていません。薄暗い展示室で見ていると、ゾクゾクします。
いっぽう、芳年の《幽霊図うぶめ》(3月14日~26日展示)は赤子を抱く母親の後ろ姿を描いたもの。うぶめとは、妊娠中に亡くなった女性の妖怪で、血だらけの赤ん坊を人に抱かせようとする……と伝えられています。
しかし本作からは、怖さというより母親の切なさ、悲しさが伝わってきます。
新聞錦絵で生き残る!
『芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル』展示風景
第5章では、新聞錦絵を紹介。明治になると、さまざまな新聞が刊行されはじめ、芳幾は東京初の日刊紙「東京日日新聞」の発刊に携わります。さらに、庶民の好奇心を刺激するセンセーショナルな事件を錦絵にして刊行し、人気を獲得。