『鎌倉殿の13人』実衣役でも活躍! 宮澤エマ、初主演舞台で“息子を亡くした若き母”に挑む
そうやってひとつひとつの役に愛情を注ぎながら経験と実績を積み重ね、このたび満を持して舞台『ラビット・ホール』で初主演を務める。演じるのは、4歳のひとり息子を交通事故で亡くした若き母・ベッカ。
「これまで演じたどの役よりも自分の人間性が透けて見える気がしています。幼い子供を亡くすという残酷さに応えるには、私たち役者も自分をさらけ出す必要があるし、それくらいリアルで生々しく、人間の醜さと美しさが描かれているんです。これまで舞台や映像でやらせていただいたこと、私生活で感じたり体験したことの全部を持って臨まないといけないくらいの大きな挑戦になるだろうと感じています」
喪失感と向き合い悲しみから立ち直ろうとするベッカは、加害者の青年と会うことを決めるが、悲しみに浸る夫はそんな彼女を理解できず、夫婦の溝は深まっていく。
「想像もしていなかった悲劇が起きて、異常な状況の中で一生懸命日常を生きようとするとこうなっちゃうんだっていうリアルな葛藤がたくさん詰め込まれています。傍目からは、どうしたらこんな暗いトンネルを抜け出すことができるんだろうと思うけれど、人間は案外しぶといんですよね。加害者や夫、家族との闘いを経たその先に希望を見出す瞬間はあって、きっと大丈夫だと思えるはず。