「LGBTQを問題にしたくない」北欧で注目の女性監督があえて声を上げる理由
―確かに、ミンミとエマはそういう典型的なキャラクターたちとは一線を画していますね。
監督もちろん、彼女たちにも悩みはあります。でも、それは同性に惹かれていることが原因ではなく、ただ好きな人に対して抱えている感情です。そういった理由から、私は彼女たちをポジティブな人物として描きたいと考えました。
男女平等が実現すれば、誰もが幸せになれる社会になる
―また、ロンコは性やセックスに対してオープンで興味深いキャラクターでしたが、フィンランドの女性たちの間でもそういう会話はよくされますか?
監督そうですね、少しずつオープンに話せるような状況になってきているとは感じています。実は、今回の映画でもう一つ大事にしたいと思っていたのは、きちんとした合意のもとで行為がされるべきであるということを描くことでした。ロンコが最初に参加するパーティで、ある男の子とそういう雰囲気になったとき、男の子が「触ってもいい?」と聞くシーンを入れましたが、そんなふうに男性が女性に了承を得る様子を見せたいと思ったのです。
必ずしも全員がお互いの了承を得て行為にいたっているわけではないかもしれませんが、少しずつそういう意識がみんなのなかに芽生えてきているので、それはすごくいいことだなと。