「LGBTQを問題にしたくない」北欧で注目の女性監督があえて声を上げる理由
私の世代だと自分の気持ちやしてほしいことをなかなか言えないところがありましたが、いまの若い世代は言えるようになっているので、変わってきているように感じています。
―フィンランドといえばジェンダー・ギャップ指数が世界第2位の国なので、先進国でも最下位となる116位(2022年時点)の日本と比べると、女性活躍が非常に進んでいます。そのことが社会にどのような影響を与えていると感じていますか?
監督私は男女平等の社会に近づくことで、すべての人の生活や人生の質が上がると考えています。そもそも、人と人の間に不平等が生じること自体が正しくないので、フィンランドでは男女だけでなく、あらゆる人に対して社会的な地位を認める議論がされる段階にきました。
とはいえ、フィンランドでもすべてが完璧なわけではありません。実際、30代の女性首相をはじめ、女性の大臣たちが受けた誹謗中傷は男性だったら受けないようなものばかりでした。女性蔑視をするミソジニーはまだまだあるのが現実です。ただ、誰もが幸せになれる社会になれば、女性に限らず男性にとっても利益は多くなるのではないでしょうか。
そういう意味でも、男女平等を訴えるのが女性だけになるのではなく、男性からももっと声を上げてほしいと思っています。