次期直木賞、大本命作品も! 歴史・時代小説&新鋭作家のおすすめ作品を紹介
知識に裏打ちされた歴史・時代小説が熱い。
人と人とのつながりを巧みに紡いでいく。
『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子
雪の降る夜に、芝居小屋の裏通りで、若衆・菊之助があだ討ちを成し遂げる。その2年後に、あだ討ちの顛末を聞きたいと菊之助の縁者を名乗る者が現れて…。あだ討ちを目撃した者たちに話を聞いていくと驚くべき真相が見えてくる。1870円(新潮社)
女形の夫婦を通して、共に生きることを問う。
『おんなの女房』蝉谷めぐ実
武家の娘・志乃は芝居について何も知らないまま、歌舞伎役者で人気の女形・燕弥の元に嫁ぐ。家でも女としてふるまい、芸事にまい進する夫に対し、戸惑いながらも尽くそうとする志乃。そこに他の役者の妻たちとの交流も生まれ…。1815円(KADOKAWA)
小さなブームが数年おきに訪れるという歴史・時代小説が、再燃してきている。
「10数年前に『ネオ時代小説』ブームがありましたが、史実と違う、ポップすぎるという否定派も当時はいて。一方、永井紗耶子さんと蝉谷めぐ実さんはわりとガチで江戸時代を研究しているうえ、エンターテインメントの体幹がしっかりしている。歴史・時代小説のトップランナーとして長く活躍するはず」