役所広司、『銀河鉄道の父』で共演の菅田将暉は「宮沢賢治を演じる役者に必要なものを持っている人」
昨今の名作といわれる作品には、必ずこの人の名前がある。あまたの監督から絶大な信頼を寄せられている、役所広司さん。宮沢賢治の父を演じた主演映画『銀河鉄道の父』について語っていただきました。
平凡なサラリーマン、歴史上の人物、暴力的な刑事、更生を誓った元犯罪者など、幅広い役柄を数多く演じてきた役所広司さん。国内外から評価される高い演技力の持ち主ゆえに、役柄にリアリティがあるのは言わずもがな。その上で、善人だろうが悪人だろうが、役所さんが演じることでその役に愛らしさや切なさが加わり、“愛すべき人間らしさ”が溢れるキャラクターになる。だからこそ私たちは、役所さんが出演する作品に釘付けになるのだろう。映画『銀河鉄道の父』で演じた宮沢賢治の父・政次郎も、厳格さと優しさ、そして愛らしさを併せ持った、愛すべきキャラクターだ。
「恥ずかしながら僕は、宮沢賢治のことは『銀河鉄道の夜』と『雨ニモマケズ』くらいの知識しかなく、当然父親の政次郎さんのこともまったく知りませんでした。そんな僕にこの映画の話が来たわけですが、成島(出)監督とは本当に古い仕事仲間であり友人でもあるので、久しぶりに一緒に仕事ができるのが嬉しくて、とりあえず原作を読んでみたわけです。