近年、世界的な問題ともなっているフェイクニュースやステルスマーケティング。実は、パリでは200年ほど前から横行していたとも言われています。そこでご紹介するのは、まさにその原点とも言える姿を描き、注目を集めている映画『幻滅』です。今回は、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。
バンジャマン・ヴォワザンさん
【映画、ときどき私】 vol. 569
フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞において、作品賞をはじめ最多7冠を受賞した本作。そのなかで主人公のリュシアンを演じ、有望新人男優賞に輝いたバンジャマンさん。劇中では詩人を夢見ていた純朴な青年が、いつの間にか野心と欲望にまみれて身を滅ぼしていくさまを熱演しています。そこで、役作りへのこだわりや豪華共演者がそろった現場での様子、そして愛とは何かについて語っていただきました。
―本作を手掛けたグザヴィエ・ジャノリ監督は、「バンジャマンこそ現代のリュシアンであり、すべてを具現化してくれた」と話されていますが、ご自身でもリュシアンと通じる部分はあると思いましたか?
バンジャマンさんそうですね、僕もリュシアンと同じくらい少し弱いところがあると感じました。