下半身が「布」で隠された裸体画… 明治期にセンセーションを巻き起こした話題の作品
「美術」という言葉が生まれたのも、美術館ができたのもこの時代です。
そんな時期に描かれたのが、河鍋暁斎の《地獄極楽めぐり図》。江戸と明治の文化がミックスされた作品です。
暁斎は、江戸後期の狩野派の技法を身につけた絵師ですが、浮世絵や明治のモチーフも作品に取り入れ、本作には当時は珍しかった汽車も描かれています。(汽車の場面は5月7日まで展示)
人気の国宝も展示!
左:薩摩焼《色絵金彩麒麟鈕香炉》明治9年(1876)頃、右:薩摩焼《色絵金彩獅子鈕香炉》明治9年(1876)頃
続く第二章「明治工芸の魅力―欧米好みか、考古利今か―」では、美しい工芸作品がずらり勢ぞろい。
明治時代、日本では外貨獲得のため、欧米人に好まれる華やかなデザインの工芸品が数多く製作されました。「超絶技巧」と呼ばれる細やかな技術を使った作品も多く、海外でジャポニズムブームが盛り上がっていきます。
1867年に開催された「パリ万国博覧会」で人気があったのは、薩摩焼。
明治以降も人気が続き、欧米に輸出されました。本展で見られる薩摩焼も、とっても華やかです。
国宝《曜変天目(稲葉天目)》南宋時代(12~13世紀)