堀田茜「昨年30歳になり、大人の恋愛の価値観がわかる年齢になってきたのかな」
2014年でした。その作品で、2週間ほど宮古島に泊まり込みで撮影をすることになったのですが、それまでまったくお芝居をしたことがない人間が、ポーンと現場に投げ込まれた感じでした。セリフはしっかり覚えて毎日現場に行くものの、動き方も表現の仕方もわからない。周りの方々は楽しそうにお芝居をしていたのが衝撃的でした。厳しい現場だったこともあって余裕がなく、楽しいエピソードは一つもなかった気がします…。
――それは辛かったですね。
連日過密スケジュールで、夜はボロボロになってホテルに帰って。毎日、明日にならないでほしい…と思って寝ていました。
自分はカメラの前に立っても何もできないのに、他の共演者と対等に話せるわけがない、とひとり殻に閉じこもっていた経験が今でも少し、トラウマとして残っているぐらいです。ただ、負けず嫌いで好奇心旺盛な性格なので、最後まで耐えられたのだと思います。これを乗り越えて、真剣にお芝居に向き合い続けたら、その先自分はどうなっていくんだろう、きっと得るものが何かあるはず。“何くそ精神”でもっとお芝居が上手くなりたい、もっと上にいってやるって思いました。それで、マネージャーさんに、「お芝居を続けさせてください」