soraya「普段生きていて味わえないようなすごいものに触れる醍醐味がジャズにはある」
石川:ジャズのセッションって、音で自分を曝け出す感覚。言いたいことを音にする能力って、やっぱりひとりで練習しているだけじゃ身につかない。人と演奏をし続けて、自分という人間を強くしていった後にできることなのかなと思います。私自身、ジャズを始めてからは人とどうコミュニケーションをとるかを普段から意識するようになりました。
――おふたりがジャズに癒されたと感じるのはどんなときですか。
壷阪:ジャズを演奏するときは即興もあるし、大きなエネルギーを発散するんですけど、共演者やお客さんから僕らもエネルギーをもらうんです。すごく疲れるのに浄化されて癒されるみたいな現象が起こるんですよね。もちろん温かい部屋でハーゲンダッツを食べるときみたいな癒しもジャズにはあると思うんだけど(笑)。
演奏者も聴く側も、ジャズのエネルギーに圧倒された後で、心がすっと癒されることはあるんじゃないかな。
石川:私もいろんなジャズの楽しみ方をしていますが、寝っ転がって聴きながら癒されたいときはシンプルにメロディが好きな曲を選びます。自分の体でいい音を感じるのってとても癒されること。ライブ録音とスタジオ録音でも癒され方って違うと思うので、そのときどきの耳心地の良さを自分で試してみるのもおすすめです。