世界が憧れた! 日本のサムライが持っていた超オシャレなモノが集まる展覧会
木目のように見える背景は、実は黒漆地に金の研ぎ出し蒔絵で木目を繊細に表しています。そこに墨絵で描いた馬の図をそのままに螺鈿の輝く貝に置き換えて表しています。明治になると超絶技巧がはやりますが、寸斎の印籠はその走りとなるような作品です。
海外が憧れた黒いモノとは?
「サムライのおしゃれ―印籠・刀装具・風俗画―」会場風景
3章「江戸の風俗画にみる武士のよそおい」では、江戸時代の江戸や京都の街のにぎわいなどを描いた屏風や、サムライのおしゃれアイテムである刀剣の拵(外装)や装飾金具などを展示。重要文化財の《四条河原遊楽図屏風》では、当時のファッションリーダーだった「かぶき者」や遊女、若衆たちが生き生きと描かれています。
川之辺一朝ほか《藤丸写合口拵(長船兼光脇指付属)》明治時代(19世紀)
また、江戸から明治にかけてつくられた刀剣の拵は、黒漆塗が大変美しく、海外の人たちも憧れました。ピアノの黒塗は、日本刀の鞘塗りに触発されたといわれているそうです。
最後の4章「貴人のおしゃれ」では、重要文化財で世界的にも貴重な「密陀絵」の屏風と国宝の曜変天目(「稲葉天目」)を楽しめます。
新発見のサーベルも必見!
C.SMITH&SON《サーベル形儀仗刀 後藤象二郎拝領》(1868)