夏帆、『いつぞやは』は「セリフの複雑なニュアンスを汲み取って表現していくことが求められる」
昨年にドラマ『きれいのくに』で市川森一脚本賞を、今年、舞台『ドードーが落下する』で岸田國士戯曲賞と、『もはやしずか』『ザ・ウェルキン』で読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞するなど注目を集める加藤拓也さん。夏帆さんにとっては、今回の新作舞台『いつぞやは』が2018年の短編映画『あおいろなおし』以来の加藤作品への出演となる。
「前回は撮影が1日だけだったんです。しかもその作品はわりとハッピーな話だったんですが、のちのち舞台を拝見させていただくようになったら、普段書かれるものは全然違う。今回、縁あってまたご一緒させていただけるのが嬉しいです」
夏帆さんが演じるのは、窪田正孝さん扮する一戸のかつての劇団仲間で、結婚を目前に控えた小久保。仲間が久々に集う中、一戸がステージ4の癌を患っていることを告白するところから始まる物語だ。
「加藤さんの舞台って、観るたびに言葉にできない気持ちが渦巻くんですよね。自分の経験とリンクするような瞬間があったり、考えさせられることがあったり、持ち帰るものはたくさんあるのに、それをうまく言語化しづらいんです。
こういうお話でこう感じましたと簡単には言えない。でもそれが加藤さんの作品の魅力だと思いますし、今回の舞台もまさにそう。