石臼で砕かれる残酷場面も…! ド迫力な「地獄の十王」に圧倒される“あの世”をめぐる展覧会
中国や朝鮮半島、そして日本の仏画もコレクションに含まれています。本展では、今回はじめて十王図をまとめて展示しましたので、ぜひ味わってみてください。
意外に楽しい!?冥界ツアー
河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》より「田鶴の臨終」明治2年(1869)
では、各展示室の見どころをいくつかご紹介。
第一章「極楽浄土への招待」では、中国、朝鮮半島、日本のさまざまな仏画などを展示。ここでの見どころは、河鍋暁斎の作品《地獄極楽めぐり図》のうち「田鶴の臨終」です。この作品は、日本橋の小間物問屋である勝田五兵衛の娘・田鶴を供養するため、暁斎が描いたもの。勝田は暁斎のパトロンでした。
展示されている場面は、14歳で亡くなった田鶴を、阿弥陀三尊が迎えにきたところ。
この後、田鶴は地蔵や弘法大師をお供にして冥界ツアーに出かけます。地獄を見物したり、閻魔大王と宴会したりとさまざまな場面が登場。作品の隣に複製が置いてあるので、暁斎が描いた冥界ツアーを自分の手でめくりながら楽しめます。
石臼で砕かれる残酷場面も…!
「あの世の探検―地獄の十王勢ぞろい―」展示風景
第二章「地獄の十王ここにあり」では、本展のハイライトである十王図が勢ぞろい!十王とは、人が亡くなったあとに行く冥界にいる裁判官のこと。