引きこもりの人が撮った月画像や巨人の落とし物も! 「“共感”を求めない展覧会」で作家がこめた想い
ぼくも、毎日ではないですが、ときどきここに来ていますので、みなさんと交流できたらと思っています。
壁を鑑賞!?
中島伽耶子さんの作品《we are talking through the yellow wall》展示風景
最後は、アーティストの中島伽耶子(なかしまかやこ)さんの作品《we are talking through the yellow wall》。黄色い大きな壁が、明るい部屋と暗い部屋を隔てています。
中島さんこの壁は石の壁を突き抜けて、隣の小さな展示室を明るい部屋と暗い部屋に分断しています。この壁を鑑賞してみてください。壁や境界、こちら側と向こう側の違いというのは、目には見えなくても人と人がコミュニケーションする時には必ず存在しています。また、すれ違いや意識のずれなどもあります。それを実際に壁を立てることで表そうとしています。
展示室にあるリアルな壁にはスイッチや穴があり、壁の向こう側を想像できます。誰かいそうな感じがして、こちらのリアクションが相手に伝わるような、クリアではないけど向こう側を意識できる状態を作品にしてみました。でも、壁のこちら側と向こう側で受けとれる情報が違うことを体感できると思います。