悩みを解決するヒントが見つかるかも? 書評YouTuberが偉人たちの哲学名著8冊を解説
帰国後は前衛芸術のアイコン的存在として人気を博した芸術家。哲学者バタイユとの親交も知られる。
傷つきやすさを克服したい時に…マルクス・アウレーリウス『自省録』
ローマ帝国に君臨した哲人皇帝による古典的名作。
アウレーリウスが皇帝となったのは、外敵の侵攻、パンデミック、天災など、ローマ帝国に多事多難が降りかかった時代。「自分の怒りや痛みを切々と綴ったこの手記からは、皇帝なのに人間関係で悩み、他人の目線や評価に心を乱されるさまがうかがえるんですね。彼の繊細さに共感するはず。内面を綴るうちに、彼は“感情の手前には判断がある”ことに気づく。例えば無能と言われて腹が立つなら、その中傷に自分も納得してしまったのと同じこと。
コントロールできないものは最初から無視すればいいという、スルースキルも学べます」
神谷美恵子 訳/岩波文庫/¥946
マルクス・アウレーリウス(121‐180)ローマ五賢帝最後の皇帝。早くからストア哲学に傾倒し、哲人皇帝の異名も持つ。その彼が「不動心」を求めて終生綴った、自分との対話の記録が『自省録』。
人間関係で失敗した時に…洪 自誠『菜根譚』
約400年前の中国・明代の学者による処世術!
志や仕事、人生の逆境を乗り切り、幸せになるためのノウハウを、自身の人生体験を元にまとめた書。