悩みを解決するヒントが見つかるかも? 書評YouTuberが偉人たちの哲学名著8冊を解説
しかし、相手の話をよく聞こう、相手を知ろうなど、愛するための能動的な技法を具体的に教えてくれる本でもあります。また、西欧思想では否定されがちだった自己愛についても、自分を愛せない人間が他者を本当に愛することはできないと語り、肯定しています」
鈴木 晶 訳/紀伊国屋書店/¥1,430
エーリッヒ・フロム(1900‐1980)ユダヤ系ドイツ人の社会心理学者。ドイツの複数の大学で学んだ後1933年に渡米、のちに帰化。精神分析に社会的視点をもたらし、「新フロイト派」の代表的存在とされた。
せわしない日常から抜け出したい時に…セネカ「人生の短さについて」(『人生の短さについて他2篇』に所収)
古代ローマの哲学者が語る人生の処方箋。
多くの人が人生は短いと嘆くが、「それは時間を浪費しているせいだ」と批判したのが、古代ローマの哲学者セネカ。「人は多くの時間を退屈しのぎの娯楽や無益な仕事などで無駄遣いし、まるで時間が無尽蔵な資源であるかのように生きています。それをセネカは〈多忙〉と呼び、その真逆の時間の使い方〈閑暇〉の大切さを訴えます。閑暇とは、自分が本来なすべきことをするために、自分と向き合う時間のこと。