悩みを解決するヒントが見つかるかも? 書評YouTuberが偉人たちの哲学名著8冊を解説
「この本の白眉は、人間関係について書かれた部分です。人との関係がギクシャクすると、自分が何か間違っていたのではないかとメンタルが削られがち。そうしたつまずきをあらかじめ排除しておくには、例えば前集一〇五にある“相手の小さな過ちをとがめず、人の隠し事を暴かず、過去の過ちをいつまでも覚えておくようなことをしなければ、自分の徳も養えるし、人の恨みを買うこともない”が有効。無駄な敵を作らない知恵に、首肯しました」
今井宇三郎 訳注/岩波文庫/¥1,067
洪 自誠(生没年未詳)詳しい来歴は不明だが、中国・明代末期に三教(儒教、仏教、道教)を修めた著述家であろうとされている。本書は前集と後集から成り、合わせて約360の哲理を記した。
大切な人との絆を守りたい時に…エーリッヒ・フロム『愛するということ』
愛の理論と愛の技術を説く世界的ベストセラー。
愛は自然発生的な個人の体験だと思われているふしがあるが、実は修練を要する技術だというのがフロムの主張。「人を愛するためには、相手への配慮、責任、尊重、知が不可欠。かつ、成熟した人間同士に見られるものだという立場をとるので、愛することの困難さにひるむかもしれません。