悩みを解決するヒントが見つかるかも? 書評YouTuberが偉人たちの哲学名著8冊を解説
フランスのリセ(高等中学校)で40年間哲学教師を務め、30年にわたり新聞に「プロポ(哲学断章)」を書き続けた。本書は5000にも及ぶプロポから、幸福に関する93を所収。
自分を見失いそうになった時に…マーク・トウェイン『トウェイン完訳コレクション 人間とは何か』
世界的文豪が匿名で遺した伝説の教え。
人間は〈外部の扶(たす)け〉なしには何も生み出せないと語る〈老人〉に、〈若者〉は反発し、論戦を挑む。「老人の主張は“人間は機械だ”。誰もが生来の気質や環境、つまり外部の力に影響されて生きているのだから、何かを自分の力で成し遂げたように考えるのは思い上がりだと。逆に言えば、優位な環境や特別な才能を持たない自分を“ガチャにハズレた”ように思って自己肯定感を下げてしまう必要はないわけです。
シニカルでありながら、反骨精神もある強烈なアンチテーゼが展開され、平凡な人間にとっては救いとなる言葉がたくさん」
大久保 博 訳/角川文庫/¥726
マーク・トウェイン(1835‐1910)フロリダで生まれ、少年時代から職を転々。1865年に『ジム・スマイリーと彼の跳び蛙』で脚光を浴びる。『トム・ソーヤーの冒険』でも知られるアメリカ文学の先駆者。