アイナ・ジ・エンド「全身全霊で歌っています」“Kyrie”として得た新境地
「休みなさい」というカラダからのサインがちゃんとくるので、サインに気づいて、そのときどきでできることをやっていけば、どんなに忙しくても自分の逃げ場所を作ることができるんです。そう気づいてからは、曲作りが少し楽になりました。
――アイナさんが作詞作曲された5曲目「ずるいよな」は、劇中でも歌うシーンが印象的でしたが、どのように作っていかれましたか。
実は「ずるいよな」だけ、すでに2020年にできていた曲です。すごく大切な曲すぎて、いままで世に出していなかったんですよ、生半可な気持ちでは出せないと。でも今回、岩井監督の作品に出演させていただくと決まり、「ここで絶対に出したい、ここで輝くためにできた曲だったんだな」と思って発表しました。
――ということは、発表された「ずるいよな」は当時のお気持ちが曲に込められていると?
そうですね。大切なお姉ちゃんのような存在だった方が亡くなった時にできた曲です。
映画『キリエのうた』も松村北斗さん演じる夏彦にとって大切な人をずっと追い求めている、勝手にいなくなってずるいよな、という心情ととても合うと感じて。むしろいまから夏彦の気持ちになって曲を書くより、この「ずるいよな」