言語能力は2歳時点でかなり差ができている!? 『言語の本質』著者と言葉の謎に迫る
認知科学者と言語学者が「オノマトペ」から言葉の謎に迫る『言語の本質』。今年5月の発売からすぐにベストセラーとなった話題の本書の著者である今井むつみさんと秋田喜美さんに、言葉の謎に迫るための様々な疑問に答えていただきました。
――今年5月に出版された『言語の本質』が話題です。社会的な背景など、そこにはどんな理由があると思われますか?
今井むつみ(以下、今井):やはり言葉は毎日使うものなので、「もっと上手に使えたらいいのに」という思いが誰しもあるからではないでしょうか。それに本書の出版が、ChatGPT(人間のように自然な会話ができるAIチャットサービス)のリリース後だったということも影響しているように思います。驚くほど巧みに言葉を操るAIが登場したことで、自分たちが日頃使っている言葉に対して疑問や不安を抱く人も多かったのかもしれません。
秋田喜美(以下、秋田):同感です。あとはポッドキャスト『ゆる言語学ラジオ』の水野太貴さんのSNSをはじめ、多くの新聞や雑誌の書評で取り上げていただいたことも後押ししてくれていると感じています。
――本書では言語の本質をひもとくカギとして、“オノマトペ”(何らかの音や状態を表現した言葉)