くらし情報『言語能力は2歳時点でかなり差ができている!? 『言語の本質』著者と言葉の謎に迫る』

言語能力は2歳時点でかなり差ができている!? 『言語の本質』著者と言葉の謎に迫る

自分の語彙力の限界に気づき、不足しているところを補うために、何をすべきか考える。その気持ちさえあれば、向上できるはずです。

――最後に、ずばり「言語の本質」とは。そのポイントとなることを教えていただけると嬉しいです。

今井:言葉の役割について“豊かなコミュニケーションをとるための道具”といった表現が使われがちですが、実はそうではありません。人はたくさんの思いを伝えたいのに、情報処理能力が限られているため、無意識のうちに言葉を取捨選択しています。聞く人が扱えるだけの情報量に絞って、伝えているのです。ピンポイントだからこそ、相手に“伝わる”。
言語の本質的特徴には様々ありますが、これはその重要な要素です。

秋田:人には何かと何かの間に、能動的に類似性を見出そうとする特徴があります。先述した「ワクワク」は「湧く」からきているのに、なぜかしっくりくる。それは、ワクワクという音と、ワクワクした感情の間に私たちが類似性を見出すからではないでしょうか。ワンワンと犬の間に類似性を感じるように。そう考えると、今後も新しいオノマトペが生まれる可能性は、大いにあると思います。

今井むつみさん慶應義塾大学環境情報学部教授。

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