皆川猿時「今52歳なんですけど、この何年かでシリアスな役をやることへの照れが、少しなくなってきた」
登場するだけでなんだか面白い。だけど、連続テレビ小説『あまちゃん』では何気なく発したひと言でぐっと胸を掴まれたり、舞台『流山ブルーバード』でパンツ一丁で佇む姿でじーんとさせたり、インパクトだけではない後味を残してくれる。ならば、皆川猿時さんという人自身は、一体どんな人なのだろう。
――まずは目前に控える舞台『ドクター皆川~手術成功5秒前~』について伺います。作・演出の細川徹さんとはこれまで何作も舞台をご一緒に作られていますが、前作が『3年B組皆川先生~2.5時幻目~』でした。タイトルにご自身の名前が冠されるというのは、どんなお気持ちですか?
細川さんが作・演出を担当、僕と荒川(良々)くんがメインを務めるこのシリーズで、毎回僕は荒川くんにヒドい目に遭わされます。前回から“皆川”がタイトルについて、ヒドい目に遭うのが誰なのか、わかりやすくなったんじゃないかと思います。
――それは皆川さん的には…?
もちろん光栄です(笑)。
毎回、体力的にはキツい部分もあるんですけど、細川さんの作品独特のお客さんの盛り上がりというのがあって、それは他の舞台では味わえないものなんですよね。僕らオジさんやオバさんのつたない歌や踊りにも、お客さんが拍手をしてくれるんです。