三浦透子「難しいけれど、面白いチャレンジになる」 難解な心理を描くイプセンの作品に挑む
あの繊細な役作りのためにやっているのは「ただただ脚本を読むというシンプルな準備」だとか。
「読むのは、自分が演じる役と作品自体が何を大事にして書かれているのかというところ。お芝居はコラボレーションですから、あとは現場で生まれるものだと思っています。同じ本を読み、それぞれが違う頭で考えたものを互いに出し合うことで見えてくるものというのがあり、それがこの仕事の面白いところです。脚本を読んで、自分も同じことを考えたことがあると思える部分が多いほど、楽に役に近づける気がします。だから、出合う感情の数を増やすことが重要であって、自分はそのために日常をどう生きるのがいいのかということはわりと考えていますね」
本作が書かれた当時とは時代も変わり、物事の価値観はアップデートされているが「世の中の構造自体は、現代に通じるものがある」と話す。
「演出の栗山(民也)さんが『ホンをちゃんと誠実にやれば今のことを伝える物語になるから』とおっしゃっていました。時代は違えど、従来の価値観から先へ進もうとする時代という意味では現代とも重なりますし、今の物語として感じてもらえる作品になればと思っています」
『ロスメルスホルム』下宿人のレベッカ(三浦)