フランスの注目俳優「女性たちの道のりはまだまだ長い」フランソワ・オゾン監督作で感じた現実
自由も平等もなかったからこそ、自分自身の声を聞いてもらいたいという思いが、いつしか家父長制度に対する反抗や権利を主張へと繋がり、マドレーヌを変えていったのです。
これからも戦い続けなければいけないと感じている
―まだまだ男性社会と言われている映画界のなかにいるという意味では、ご自身にも通じるところはあったのでは?
ナディアさん確かに、この話には2023年を生きる私たちにも共鳴する部分があると感じています。実際、私たち女性にとって、まだまだ道のりは長いなと感じることもありますから…。だからこそ、俳優として現代に通じるメッセージ性を持った映画で、そういう思いを抱えた女性を演じられたことは私にとってはうれしいことでした。
最近のフランス映画界でも、興味深い女性の役はどんどん増えていますし、女性監督も台頭してきているので、それは素晴らしいことですよね。でも、これからも女性は戦い続けなければいけないなとは感じています。
―確かにその通りですね。また、マドレーヌのようにピンチがチャンスに転換したような経験はありますか?
ナディアさんこれはいい質問ですね!最悪から最高という話ではありませんが、実はもともと俳優を職業にするつもりはなくて、最初はお小遣いや家賃を稼ぐつもりで始めたのがきっかけでした。