くらし情報『吉岡里帆、演出・渡辺えりからの直々の出演オファーに「最初は驚きました」』

吉岡里帆、演出・渡辺えりからの直々の出演オファーに「最初は驚きました」

ローラも、口数が少ないイメージだったのが、『消えなさいローラ』では、それまでの溜まりに溜まったフラストレーションを爆発させているかのようにすごく情熱的。えりさんがおっしゃるには、別役さんが書かれる作品の多くが自己や自己のアイデンティティに迷う人の物語で、この作品もまさにそうなのだとか。実際、ここに出てくるローラも、途中からローラなのかアマンダなのかわからなくなっていって、台本上の役名も“女”という表記になっています。自分という存在は不確かで、それを認識してくれている他者がいなくなってしまえば、まるで存在していなかったかのように消えていく。その切なさとか、逆に、誰かがいることで確かになる、ある種の生命力を大事に演じたいと思っています」

母・アマンダはその渡辺さんが、弟のトムは尾上松也さんが演じる。

「トムはストーリーテラーの役割も担っているので、この役がブレるとすべてがブレてしまうと思うのですが、松也さんがしっかりと基盤を作ってくださっています。例えると、枠組みが木じゃなくて鉄でできているような(笑)安心感というか。アマンダは娘や息子に言葉で圧をかけるような役なのに、えりさんが演じることで、口うるさいけれどとても愛情深いお母さんになるから全然嫌な気持ちにならない。

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