同性愛で逮捕された芸術家の真実…イタリアの名優が訴える「疑問を抱くきっかけになってほしい」
という話は以前からしていました。そしたらある日、彼から電話が来て「話したいことがある」と。実際会いに行ったところ、オファーをいただきました。
出演するうえで、クリアしなければいけないこともあった
―そこですぐに引き受けようと決意されたのですか?
ルイジさんアメリオ監督は事前にカメラテストをせず、相手と話をしていくなかで「この人と一緒に映画のための“旅”ができるかどうか」を直感で決めるタイプ。なので、今回もいろいろと話をしたあとに脚本をもらいました。
比喩的に言うと、映画監督というのは洋服を作るお針子さんで、俳優は生地。監督が僕たちの色や形を好きなように変えて映画を作り上げていくものだと考えています。今回、僕のことは“素材”としていいと思って選んでくれたようですが、「この役を演じるにあたって俳優としていくつかクリアしなければいけないことがある」と言われました。
―それは具体的にどんなことだったのでしょうか。
ルイジさん課題は2つありましたが、1つ目は実在した主人公が北部の人だったので言葉の問題がありました。なぜなら、僕は南イタリアにあるシチリア島の出身なので、これまでは南部の人の役ばかりを求められることが多かったからです。